人工中耳

Vibrant Soundbridgeは、特徴的な人工中耳システムであり、従来の補聴器では十分な改善が見られない方、また、医学的な理由により補聴器を使用できない方に、新たなきこえの可能性を提供しています。中耳の手術を受けても十分にきこえが改善しない。また、慢性的な外耳道の炎症などにより、補聴器の装用ができない場合にも有効な機器です。 

補聴器は外耳道に入る音を大きくすることしかできませんが、Vibrant Soundbridgeは周囲の音を機械的振動に変換することができます。この機械的なエネルギーで中耳の構造を直接刺激することにより、高い周波数の音までカバーすることが可能になります。

難聴の原因として、1) 耳の穴(外耳孔)がない「外耳道閉鎖」による難聴、2) 音の振動を伝えることができない伝音難聴(例えば、中耳による難聴)が手術しても改善しない例、3) 耳漏が止まらない中耳炎があります。最近では、補聴器が装用できない難聴などに対して「人工中耳植込み術」と呼ばれる新しい手術が可能になりました。なお、人工中耳は2003年にオーストリアに本社があるMED-EL社が開発し、人工中耳手術は我が国でも保険収載された手術です。